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翻訳の技術を教える本などに必ず出てくる基本的なコツの1つに、英語の名詞を日本語の動詞に読みほどく ・・・というのがあります。

たとえば、以下の英文を訳すとします。

His stubborn refusal surprised me.

ここで、動詞に読みほどく名詞は、refusal(拒否)です。もし動詞に読みほどかないとしたら、以下のような訳になってしまいます。

彼の頑固な拒否は私を驚かせた。

動詞に読みほどくと、例えば以下のように訳せます。

彼が頑強に拒んだので、私は驚いた。


次の例を見てみます。

◇ She was relieved by his absence.

absence を動詞に読みほどかず、名詞のまま訳そうとしたら、どうなるでしょう。

・彼女は、彼の不在によって安心した。

動詞に読みほどけば、例えば以下のように訳せます。

・彼女は彼がいないのでほっとした。


もちろん、この方法はうまく当てはまる場合と当てはまりにくい場合があります。翻訳の基本を教える講座などでは、このコツを使えばうまく訳せる英語の例文をたくさん用意して、学習者に練習をさせます。

学習者は、練習をしているうちに、特にコツとか技術などと意識しなくても、この方法がうまく当てはまるところで自然に使えるようになっていきます。
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Tag:技術+ビジネス翻訳.翻訳のコツ


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コメント 14

り~やん  2006, 09. 14 (Thu) 23:05

やはり練習あるのみですね。

こんな風に簡単な文章だと、その理屈もわかるし訳せたりもするんですが、コレが複雑怪奇な文章構造&知らない医学用語のオンパレードになるとなかなか出来ないんですよね。

日本語ならどう言うか…と言うことを常に意識してはいるのですが、文章の中に「多臓器不全」とか「下大静脈の膜様閉塞」なんて言葉が出てきたら、「そんな言葉普段使わへんし!」と、開き直ってしまう自分がいます(^^;

まだまだ修行不足です。


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YJ  2006, 09. 14 (Thu) 23:12

こんにちは。いつも楽しく読ませて頂いています。ポチ♪もひそかに押させてもらってます。「読みほどく」ってすごく良い表現ですね。このアプローチは、通訳でも本当に必要なことです。ついつい英語に引きづられてしまうので。。参考になりました。ポチ♪

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pikayuko  2006, 09. 14 (Thu) 23:22

大学受験でも

大学受験でも、和訳がよく出される国公立を目指している生徒たちにはmustのポイントです。
でも、まだ英語がちゃんと読めない子達にこれを教えるとなかなか大変なことになってしまいます。
近頃は日本語もちゃんと読めなかったりするので、「自然な日本語になるほうを選べば大丈夫」という説明では足りなくなってきました。生徒の頭の中にある理解と和訳の間に横たわるギャップが年々広く険しくなっていますv-292
だんだん広くなってきている

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Applecheese  2006, 09. 14 (Thu) 23:41

り~やんさん

>コレが複雑怪奇な文章構造&知らない医学用語のオンパレードになるとなかなか出来ないんですよね。

それは、とてもよく分かります。特に、読んでいる内容の理解度に自信がないときなどには、こういう工夫をする余裕もないですからね。また、意味はよく理解できても、文が長くて複雑だと、訳すのに苦労します。

私もまだまだ日々修行中です。

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Applecheese  2006, 09. 14 (Thu) 23:51

YJさん

訳すという意味では、通訳も翻訳も同じなので、共通のコツや技術ってありますよね。

翻訳の場合は通訳よりも訳すのに時間的な余裕がありますが、通訳と同じぐらいのスピードで訳せたら、アウトプットが増えて稼げるだろうなあ・・・と思ったりします。

ポチ、ありがとうございます。さっきお返ししてきました!

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Applecheese  2006, 09. 15 (Fri) 00:04

pikayukoさん

>でも、まだ英語がちゃんと読めない子達にこれを教えるとなかなか大変なことになってしまいます。

それは、そうでしょうね。はじめにちゃんと意味が分かっていないのに、無理してこの方法を使おうとしたら、変なことになりそうな気がします。

私は大学受験のとき、こんなことは全然知りませんでしたが、今、英語の得意な生徒が、大学受験がきっかけでこの方法を知るチャンスがあるのだとしたら、いいことだと思います。

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はにまる  2006, 09. 15 (Fri) 01:07

こんにちは。
英語の無生物主語の翻訳は難しいですね。この方法を使えば、かなりこなれた日本語になる気がします。参考になりました。

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Applecheese  2006, 09. 15 (Fri) 07:34

はにまるさん

無生物主語、言われてみると、確かにそうですね。ちょっとしたコツという感じなのですが、応用範囲が広くて役立つ方法だと思います。

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LOVEビア  2006, 09. 15 (Fri) 11:18

いかにも翻訳調の日本語って感じますね

こなれた日本語に訳す、しかも正確に というのがなかなか難しいと思いますが、こうしたちょっとしたコツを伺うとなるほど!と思います。
“彼の不在によって安心した”・・・なんか高校生の頃を思い出す日本語ですね(変な言い方!)英語の時間ってこんな日本語が飛び交っていたような・・・。で、先生に”どういうことだ?”と聞かれて、”さあ?”みたいな感じでした(笑)

不在によって安心した=居なくてほっとした
と変換するのには、日本語の理解力が必要だと思ったものです。
でも、だいたい辞書引いてそのまま単語を置き換えて予習終わり!っていう態度がこの悲劇をうんでいるんです。(過去のこととはいえ自覚は有り!)

またいろいろなコツ教えてくださいませ。

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bibinba  2006, 09. 15 (Fri) 15:57

な~るほど!名詞を動詞に読みほどく!ですね。
文がなめらかになり、理解しやすいですね。
次回の講義を楽しみにしています。v-352

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Applecheese  2006, 09. 15 (Fri) 21:55

LOVEビアさん

高校生ぐらいの頃って、英語だけでなくて、いろんな勉強があって、今思うと大変でした。英語だけに時間を割くわけにはいかなかったので、単語を置き換えて予習終わりということは、私もよくありました。

でも英語は、本や学校もあるから、社会人になってからでも伸ばしやすいうちに入るんでしょうね。

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Applecheese  2006, 09. 15 (Fri) 21:59

bibinbaさん

次回の講義は、まだちょっと未定ですが、またやりたいと思います。やりがいはあるのですが、結構疲れるんですよね、これって・・・。

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atsumaru3  2006, 09. 17 (Sun) 15:12

和訳って

初めまして。
とても勉強になります。

最近の高校生は、英語よりも日本語がわからなかったりします。日本語にしても文章の意味がわからない生徒もいてなかなか大変です。

それでもなんとかして、今の世代に通じるように教えないとなぁと思いました。

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Applecheese  2006, 09. 18 (Mon) 09:05

atsumaru3さん

はじめまして。

世代によって日本語の能力だけでなくて、語彙や使い方も違いますからね。私も、自分よりずっと上の世代の人たちの話を聞くと、日本語の勉強になることが多い気がします。

英語を教えるときにも、若者の言語感覚に訴えることも必要なのかもしれませんね。

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