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前回は昨年末だったので、ずいぶん時間が空いてしまいましたが、久しぶりに『高慢と偏見』をネタにしたいと思います。

前回は、エリザベスが新婚の友人シャーロットの家に滞在していたときにダーシーから求婚され、腹を立てて断ったところまででした。その後、彼女は、ダーシーから、ウィッカムの件や、姉のジェーンとビングリーの間の恋をじゃました件について、釈明の手紙を受け取ってショックを受け、混乱します。ショックはやがて和らぎ、自分の思い込みにもだんだん気が付いて反省しますが、それでも、いずれにせよ、ダーシーにはもう会いたくないことに変わりはありません。

シャーロットの家から自宅に戻り、妹たちや母親の品のなさを実感しますが、今度はしばらくすると、叔父と叔母であるガーディナー夫妻と旅行することになります。旅行先にはダーシーの邸宅の近くも含まれるのですが、主人であるダーシーが留守というのを聞いて、邸宅を訪問することに合意します。

叔母たちは邸宅の手入れの良さや趣味をほめ、エリザベスは、自分がここの夫人になることもできたのだ・・・と後悔のような気持ちも少しだけ抱きます。邸宅内では、召使いに案内されますが、召使いは主人であるダーシーのことを、素晴らしい人物だとほめちぎります。エリザベスは、召使いの言葉を最初はあまり信じませんが、だんだん、やっぱりいい人なのかも・・・という気がしてきます。

家の中を見終わって、庭を見ようとしたときに、翌日まで戻ってこないはずのダーシーが帰ってくるのに出くわします。二人は最初、非常にぎこちない気持ちになりますが、ダーシーは礼儀正しくふるまいます。エリザベス一行とダーシーはいったん別れますが、あとでダーシーはまた戻ってきて、エリザベスにガーディナー夫妻を紹介してもらい、会話を交わします。

ダーシーに好印象を抱いたガーディナー夫妻は、邸宅を後にするときの馬車の中で、それまでエリザベスが彼の悪口を言っていたことについて、なんでそんな風に悪口を言っていたのか尋ねます。エリザベスは、いろいろ言い訳をしますが、そのうちの1つが、ウィッカムの件で悪いのはダーシーの方だと思い込んでいたからだと説明します。

She then felt it her duty to tell them, in as careful a manner as she could, that she believed herself to have been mistaken in thinking that he had been at fault in his treatment of Wickham.

エリザベスが彼らに慎重に伝えなければならないと思ったのは、「ダーシーのウィッカムに対する扱いはひどいと思っていたが、それは彼女自身の間違った思い込みだったと今は感じている」・・・ということです。 

be mistaken は、受動態のように見えるので「人から誤解される」と思いがちですが、そうではなくて、この英文にあるように、「誤解する」「間違っている」という意味である場合もよくあります。この be mistaken の使い方は、mistake という動詞の受動態と考えるのではなく、mistaken(間違っている)という形容詞の前に be がついて、その前に、主体である人物を表す主語があると考える必要があります。これによって、「(誰かが)間違っている」という意味を表します。

このことの直接の説明ではありませんが、以下の説明も少し参考になると思います。

You use expressions such as if I'm not mistaken and unless I'm very much mistaken as a polite way of emphasizing the statement you are making, especially when you are confident that it is correct. (コウビルド英英辞典より)

これは「もし間違っていなければ」という言葉の説明ですが、この言葉を使うのが「自分が正しいことに自信があるとき」と説明されているのは、ちょっと意外でした。絶対に自信があるのなら、そんなことは言わなくても良さそうな気がするからなのですが、逆に自信がほとんどないときにもそういう言い方はしないから、まあ、とりあえず納得はできます。

be mistaken の一番簡単な使い方の1つは、Am I mistaken? (私は間違っていますか?)です。

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コリンズとシャーロットの新婚カップルの家に滞在し、彼らとともにその土地の富豪キャサリン夫人の邸宅などにも招待されたりしながら過ごしていたエリザベスは、そのキャサリン夫人の邸宅でダーシーと再会します。

エリザベスにとってダーシーは無口で愛想が悪くて身分の高さを鼻にかけているという悪い印象なのですが、エリザベスは、ダーシーと共に同地に滞在しているフィッツウィリアム大佐から、姉のジェーンからビングリーを引き離したのがダーシーだったことを知ってショックを受け、ダーシーに対して憤りを感じます。

エリザベスがそのショックと憤りで頭痛を起こして留守番をしているまさにそのときに、ダーシーが一人でやって来て、エリザベスにプロポーズをします。

プロポーズの言葉は、あえて自分より身分の低いエリザベスに求婚することについて悩んだけど、やはりどうしても気持ちを抑えられなかったという感じがにじみ出ていて、なおさらエリザベスの気持ちを逆なでします。

彼女はウィッカムの件でもダーシーが悪いと思っているので、ジェーンの件とウィッカムの件を挙げ、プロポーズは受け入れられないと言って拒否し、最後に以下のように言います。

You could not have made me the offer of your hand in any possible way that would have led me to accept it. From the very beginning, your manners struck me as showing the greatest pride in yourself and scorn for the feelings of others, and I had not known you a month before I felt that you were the last man in the world whom I could ever be persuaded to marry.

いかなる方法で求婚したのだとしても、あなたからの求婚を私は受け入れられない。私は初対面のときから、あなたが自分のことを一番鼻にかけ、他人の気持ちを気にもかけない人だと直感し、1か月もしないうちに、私はどんなに説得されたとしてもあなたとだけは絶対に結婚したくないと思った。

上の英文の最初の offer of one's hand がプロポーズを意味しているのですが、これに近い意味で、辞書には、ask for someone's hand (in marriage) というのが出ています。

If a man asks for a woman's hand in marriage, he asks her or her parents for permission to marry her.(コウビルド英英辞典より)

つまりこの hand は、求婚する男性に対する女性やその親からの「許可」ということです。ダーシーは女性ではありませんが hand を offer しているというのは、身分違いだけどエリザベスに対して結婚の許可を出している(エリザベスから頼まれたわけでもありませんが・・・)という尊大な感じを連想させるような気がします。

※ 『高慢と偏見』関連のこれまでの記事: 12345

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前回からしばらく間が空きましたが、また『高慢と偏見』からです。

エリザベスは、ビングリーと疎遠になって気晴らしにロンドンに滞在している姉のジェーンと、牧師コリンズの元に嫁いだ友人のシャーロットとをほぼ同時期に訪ねます。

シャーロットを訪ねたときには、あらためてエリザベスがコリンズを嫌っている様子のうかがえる描写が出てきます。コリンズとシャーロットの新婚カップルに家の中を案内されてているときのエリザベスについての描写です。

She could not help thinkning, as Mr Collins proudly showed her his house and furniture, that he wished to make her feel what she had lost by refusing him. She was not able to please him, though, by any sign of unhappiness, instead she looked with surprise at her friend, who could appear so cheerful with such a companion.

コリンズは、エリザベスが彼からの求婚を断ったことを後悔させたいようなそぶりで、自分の家を自慢げに案内しますが、エリザベスはそんな彼の思いとは裏腹に、シャーロットが、よくもこんなパートナーと楽しげにしていられるものだと驚いた・・・ということですね。

続きは、以下の通りです。

After admiring the house, they were invited by their host to take a walk in the garden. One of his chief pleasures was to work in the garden, and Elizabeth smiled to herself as she heard Charlotte talk of the healthiness of the exercise, and say that she encouraged it as much as possible.

コリンズは今度はエリザベスたちを庭に招きますが、そのときにシャーロットが、コリンズの趣味である庭いじりについて、健康にいいからどんどんやるべきだとコリンズに勧めているのを聞いて、心の中で笑った・・・と書いてあります。シャーロットも、このコリンズという男の相手をするのは好きではなくて、勝手に庭で時間をつぶしてくれる方がいいと思っているのだな・・・という想像なのだと思います。「亭主元気で留守がいい」みたいな感じですね。

まだ続きます。

The house itself, though small, was neat and convenient, and when Mr Collins could be forgotten, there was a great feeling of comfort everywhere - and by Charlotte's enjoyment, which was quite plain, Elizabeth supposed he must often be forgotten.

家は小さいけれど、こぎれいで便利なので、コリンズの存在さえ忘れていれば、どこにいても快適そうだった。また、シャーロットの楽しげな様子からすると、彼女はコリンズのことを忘れている時間が多いに違いないとエリザベスは思った。

ここまでたたみかけられると、コリンズがエリザベスから徹底して嫌われている感じがひしひしと伝わってきますね。誰かが誰かを嫌っている様子って、こんな風に面白く書くこともできるものなんですね。


※英語の原文は、Pride and Prejudice(Penguin Readers版)から引用しています。

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